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東港地区まちづくりシンポジウムを開催しました
令和4年2月20日に開催された「東港地区まちづくりシンポジウム」(共催:蒲郡市・蒲郡商工会議所・愛知工業大学)。
会場で参加された方は65名、オンライン参加の方は66名で131名の方がこのシンポジウムにご参加いただきました。
市民の方々とともに東港地区のまちづくりをすすめるキックオフとして、東港地区の検討チーム(忽那裕樹さん、長町志穂さん、安井秀夫さん、名畑恵さん、益尾孝祐さん)が集結。
コメンテーターに名古屋大学の恒川和久教授、パネリストに鈴木寿明市長が加わり、市民等が主体となり公共空間を活用した社会実験から試みる公民連携のまちづくりなどを中心に熱い議論が交わされました。
登壇者の紹介の様子(左から、忽那裕樹さん・長町志穂さん・安井秀夫さん・恒川和久さん)
参加者意見及びアンケート結果
今回のシンポジウムでは、参加者(会場及びオンライン)から主にオンラインによる意見入力フォームを利用して、基調講演に対する質問や意見をいただき、その一部を第2部のパネルディスカッションで紹介して登壇者に意見交換していただきました。
また、シンポジウム終了後には、参加者にシンポジウムに対するアンケートをお願いして、今後のワークショップでの議論と合わせて検討の参考にさせていただきます。
参加者意見及びアンケート結果は以下のファイルをご覧ください。
シンポジウムに対するアンケート結果 [PDFファイル/1.02MB]
市長あいさつ
鈴木寿明市長
「市民憲章に『みんなの力でまちづくり』というフレーズがあるように、みなさんの意見を聞きながらまちづくりを実践することが必要であると常々考えています。」
「昨年に蒲郡駅から竹島までを東港地区として位置づけた場所では、過去に様々な計画がありましたが、これまで思うように進んでいないのが実状です。」
「そういった中で、昨年の8月に『蒲郡市東港地区まちづくりビジョン』を策定し、12月には愛知工業大学様との研究委託の締結により、検討チームが発足し、この度、まちづくりのキックオフとなるシンポジウムが開催されることになりました。」
「みなさまの東港地区に対する関心は非常に高く、なんとか整備を進めて、市民の皆さまや、ここを訪れる人々にとって、日常の一部として過ごしたくなる居心地の良い空間にしていきたいと考えています。」
「これから先、東港地区が素晴らしいエリアとなるために市民の皆さまがまちづくりに関わっていただきたいと思っています。本日の内容に共感していただけるみなさまにプラットフォームも用意しますので、ぜひ加わっていただいて、将来に良い東港地区を残して行きたいと思っています。」
第1部 基調講演
忽那裕樹さんと長町志穂さんがそれぞれのテーマに沿った話を熱く語ってくれました。
講演者 忽那裕樹さん
まちを使いこなすデザイン ー公民連携のしくみづくりー
忽那裕樹さん
「私は、ランドスケープデザインという道路・河川・公園・港湾などのパブリックな場所(みんなの場所)をデザインする仕事をしています。また、空間のデザインだけではなく、まちづくりの仕組みを作り、市民のみなさんと一緒に活動してまちづくりを行っています。」
「まちづくりで大切なのは、市民が自分たちでルールを作り、ビジョンを描き、それを実現していくことで、自分たちがその暮らしを豊かにする、そこに誇りや愛着が生まれることであると考えています。」
スライドより
住まい訪れる人が、場所を楽しく使いこなしている状況。
まちの魅力は、その積み重ねから育まれていくるのだと思います。
楽しく使いこなす姿は、それぞれのライフスタイルを豊かにする活動ができ、つなげていける場に生まれてきます。
身近な屋外環境やまちの広場や公園などのオープンスペースは、それらを支える大切な場所です。
「これを実現するために、『かたち』=環境デザイン 『しくみ』=仕組みづくり 『うごき』=使いこなし この3つを回して動かしていくのがまちづくりだと考えています。」
水都大阪の事例紹介
「活動の初動期に『フェス』と題して、みんなが集まってプログラムやコンテンツを集めてみましょう。ということから始めます。」
「水辺の魅力を使いこなす」⇒活動のマッチングをしながらフェスを行います。
「楽しみを分かち合う」⇒日頃出会っていなかった人が出会う場。ここでは、まず困っていることはなんですか?やりたいことなんですか?と聞きます。困っている人の近くに、それをやりたい人がいたりします。それをマッチングしながら風景を共有してみる。新たな場所のあり方、価値観を見出す。
「誇りと愛着を持つ」⇒毎年続けていき、日常化することで誇りと愛着が生まれます。
「フェスは、お祭りをするだけではなく、きっかけを与えてコミュニティを形成することを目指しています。」
「大阪中之島ではフェスとして、誰も使っていなかった公園を使って東北で被災された夫婦の結婚を楽しく分ち合おうよということで式をやりました。そこでは、みんなが集結して衣装やネイルのプロの方々ががぞれぞれボランティアとして関わり、公園愛好家が花が咲くように準備するなど、みんなの力で作り上げました。誰かの笑顔を見たい。その思いを結集するのです。」
「関わる人の多様性をもつためにアートイベントを大阪府と大阪市で一緒にやりました。ここでいうと愛知県と蒲郡市です。」
「中之島では、広場を活用して市民の手でいろいろなイベントを行うことで誰も来なかった広場に人が来るきっかけができました。現在では、そういったことが日常化しています。」
イベントを日常化する上で重要なのは『中間支援組織』
「この蒲郡でも官民連携で自分たちがやる新しいパブリックとして中間支援組織が作れるかが大切になります。」
「フローティングビジョンと位置づけた、官民協働で大体のビジョンとして夢を持ちながら、今何をすべきかを共有する。」
「その上で社会実験でカフェをやると言った場合に、中間支援組織が事業者と行政を繋いで運営する新しい公共の役割を担う。お金が回る仕組みも作り運営していく。」
「河川沿いの水辺で社会実験をして、そういった場所には現在、いろいろなお店とパブリックスペースが作られていて、そこで生まれた収益を使って、次の年にはコンシェルジュを雇うと言ったように、一つずつお金が回る仕組みを作って行き、それらを中間支援組織の運営により展開しています。」
「水辺で社会実験をした後、今では色々なお店が出来ています。」
泉南りんくう公園(SENNAN LONG PARK)の事例紹介
公園整備する計画が進まず20年そのままとなっていた大阪府の土地における公民連携
「これも公民連携のひとつの事例と言えます。大阪府が泉南市に港湾の土地を30年間無償で貸与して、市が民間事業者に任せて30年間で事業者が得る収益を使って公園整備をした事例です。ここでもみなさんのやりたいことを集めて、地元企業も繋いで整備をしました。公共空間で民間のレストランが望まれて、それがまちに還元されるのであれば、そういった施設も作っていいと思います。」
「それだけではなく、誰でも利用できる居場所の空間、夜を過ごす空間もみなさんの意見を聞いて作りました。」
「その他、外の商業への波及効果も含めた回遊性が生まれて1日楽しめる広がりも現れています。」
「ほかにも、いろいろな人が関わってマルシェやグランピングなど自分たちがやりたいことができる場所が作られています。」
「ここでは地域の人たちの雇用もあり、地域の人たちが提案するものができる、企業と一緒に考える、ひとつの新しい公共という形で公園を管理しています。こういった仕組みをデザインすることでこの公園が生まれています。」
草津川跡地公園の事例紹介
市民との活動を徹底して作った公園
「とにかくここをコミュニティのハブにしていくという思いで、市民の意見をすべて反映しました。」
「通常は、実施設計・工事施工・供用開始の各プロセスに入る専門家はそれぞれぶつ切りになってしまいますが、そうではなくて、長く付き合ってコミュニティを育みながらそれぞれの専門、活動、商売の得意なところを出し合うプラットフォームが出来上がるといいと思います。ここではワークショップを何回もやりました。」
「全部の意見を落とさずに100のやりたいことがあれば100の施設を作るのではなく、自分のやりたいことがどこかで見つけられるようにデザインをしています。」
「子育てママがカフェの隣にちょっと学生に子供を見てもらえる場所があれば助かるといった声に対して、仕組み、かたち、商業の人も意識して作り実現していく、そこで生まれた収益を使って、公園で足りないものを作る。意見を聞きながら作り直していくことにチャレンジしています。」
「少し屋根がほしいという話があって、中間支援組織で収益を得た一部を使って、テイクアウトした食べ物の食事ができる空間を整備するとかそんなことをやっています。」
「作る前のワークショプを何回もやりました。そこでの出会いが凄かったです。」
「最初のフェスから始める水辺の魅力を、まちで楽しんでカタチにしながら、誇りを共有しあうということ、『かたち』『しくみ』『うごき』が一緒に行動を共にするプラットフォームが蒲郡にもできたらと思います。」
「大きなビジョンと活動のきっかけづくりを共有し、それを支える中間支援機能を充実しましょうというのが私の思いです。」
講演者 長町志穂さん
あかりでつくる観光まちづくり
長町志穂さん
「今ある環境であかりを少し変えるとまちは大きく変わります。」
「これまで小さな集落から大きな都市まで関わっていますが、やり方・行政や民間の人の関わり方・どのようなチームを作るかなど方法は様々あります。」
「これから社会実験の様子も見ていただいて、蒲郡でもすぐにできることはなんだろうと考えていきたいと思います。」
「まちの特徴を示すためにあかりを利用するとまちが激変します!」
と、既存の橋や広場などの公共空間にあかりを利用して変わる多くの姿をビフォーアフターの写真で紹介してくださいました。
「例えば、名も無き橋に明かりが灯ると観光地図に名前が載ります。」
「東港地区が持っている素敵なものをみんなでチェックして、大切なものを教えてください。」
まちのお宝をあかりで磨き上げることによってまちのアイデンティティを際立たせる
あかりは賑わいを創る あかりは居場所をつくる
長門湯本温泉観光まちづくりの事例紹介
公民連携で「しくみ」からつくる
ここではデザイン会議を専門家、行政、地元で構成し、ワークショップで意見を出しあい、公共空間の使い方を実験してからハード整備が進められました。
社会実験で模索していく
「川の使いこなしを模索する社会実験を行い、作って使いながら協議して、ワークショップで議論して、そのあとに絵を描いて実現していきます。」
「道路の使いこなしもやりました。蒲郡でも駅から港湾に向かう道路でぜひやりましょう!」
あかりも仮設で実験
「社会実験から始めていくとハード整備の図面ができる前に、まちの人は温泉地の新しい姿が分かります。ここでもワークショップで協議して、絵を描いて、実現しました。」
あかりで絵になる風景を創る。そこでみんなで使いこなす仕組みを作る
「標準仕様の橋でも、あかりで変わります」
神戸市 あかりのマスタープランの事例紹介
行政が持つあかりのマスタープランに基づいて進められる夜間照明
「あかりが主役になってしまっている公園がたくさんありますが、あかりの当て方を変えることで公園が主役になります。そうするだけでランニングする人や過ごす人などが出てきます。」
「橋の手すりや土木構造物、公共建築など今あるものをランドマークにできていますか?」
「協議会メンバーと行政が現状分析してコンセプトと計画を作り、一つずつ変えていく」
「メリケンバークでは、中間支援組織はできなかったですが、まずカフェの誘致と文字モニュメントを検討しました。アイデアを出してみんなで議論してみんなで決めて進めました。その結果、今では神戸を代表する場所になりました。」
皆生温泉 社会実験から実装を進めている事例紹介
「海沿いの観光地が活かされず、海沿いの道に宿が背を向けていました。宿に泊まって宿から帰るのでまちには人は歩いていませんでした。」
「ここでもみんなで現状を把握し、アイデアを出して議論、基本方針の検討、社会実験のコンセプトを決定し、社会実験の内容に対する合意形成を図り、地域の人とともに設営して、地域の人が実証実験を評価して、現在、設計を進めています。」
境港市 水木しげるロード リニューアルの事例紹介
「人がいないまちで夜の事をやってもしょうが無いというまちは多いです。」
「このまちでは来街者のV字回復を目指していることを知り、夜のまちのアイデアを出しました。その結果、整備後には一時経済波及効果に成果が表れています。」
「何か蒲郡のやり方があるので、みなさんと一緒に考えていけたらと思います。」
第2部 パネルディスカッション
基調講演に対するコメント
安井秀夫さん
「私は蒲郡で生まれ育ったこともあって、なんとかこの東港地区をいい場所にしたいと思っています。そういった思いの中で、これまでのアカデミックな都市計画の専門家ではなく、これからは市民と一緒にフィールドワークが出来るまちづくりの専門家が必要だということで、先生方に集まってもらいました。」
「これから市民の皆さんと一緒にまちづくりを進めることにとても期待をしています。」
恒川和久さん
「2人の話を聞いてこのプロジェクトは成功するだろうと確信しました。それは何かというと人の巻き込み方などの熱量だと思います。」
「忽那さんの話で重要なのが『中間支援組織』で、『かたち』、『しくみ』、『うごき』この3つを一緒に動かすことでした。蒲郡にも関わり手になり得る人がたくさんいると思いますが、それをどのようにチームビルディングしていくのかというのが大事だということが聞けたと思います。」
「長町さんは、ビフォーアフターでとても分かりやすく教えてくれました。みなさん蒲郡にも資源がたくさんあることに気がついたのではないでしょうか。」
「あかりが変わるだけで東港地区はすごく変わるのではと期待をしました。」
鈴木寿明市長
「子どもたちにどんな蒲郡が残せるかと考えると、基調講演をお聞きして、まだまだ蒲郡は変わっていけると感じました。」
「忽那先生がおっしゃるように、公共空間を使いこなすことが大切であるが、海辺で如何に過ごしていくかと考えると、昔と比べると市民が海に親しみを持っていただいていないのではないか、海から離れてしまっていると思っています。海に近づいて親しんでいただけるようなまちづくりをみんなといっしょにしていきたいと思います。」
会場意見を織り交ぜたディスカッション
益尾孝祐さん(モデレーター)
「会場意見を紹介します。」
「中間支援組織の作り方、維持活動のポイントを教えてください。」
「蒲郡ではまちづくりは行政がやるものという感じです。どういうふうに蒲郡で作っていけばいいのでしょうか。」
忽那裕樹さん
「一定の作り方があると思わないほうがいいですね。中間支援組織はデザインしていくものと考えています。これまで活躍されていた人も含めてどのような形でやるかを模索します。」
「既存で活躍してきた団体をベースにするのが一つ」
「個人で集まれる場を作るのが一つ」
「行政は縦割りになっているのをプロジェクト化していろいろな部署を共同化できるプラットフォームが作れるといいです。」
恒川和久さん
「既存の複数あるまちづくり団体やそれをまとめる協議会のようなものがあると思うが、それらをうまくドライブしていくきっかけがいるのではないかと思います。」
忽那裕樹さん
「既存の団体の他に、そこに入れていなかった人たちがモノを言い難くなっている。外の人たちもテーマ性で関わりたい人たちがいっぱいいます。」
「支援コミュニティとテーマコミュニティがあります。それをフェス(社会実験)という形で分け隔てなく集結するという日を作るんです。フェスと言っても小さな公園でもやっています。いつも掃除している人、花を植えている人、子供を遊ばせている人に、この日に集合してくださいという日を作るのです。そうするとそこでこんな人がいたというのが分かります。現地で何かを共有するのが原動力になると思っています。既存の団体の人たちも、これなら協力できると話をしてくれます。」
長町志穂さん
「『市民参加でまちづくり』となると漠然としていますが、例えば『あかりを改善するチームを作る』となると、あかりに興味がある人が出てきます。そうするとタスクフォースになり、まちづくりとしてやることが明確になっていきます。」
益尾孝祐さん(モデレーター)
「次に『あかり』に関する意見も多くあります。」
「照明の力に参りました! あかりの力を感じました!」
「そこで長町さんから『ここはあかりでやれる』という場所があれば」
長町志穂さん
「私が思うのは竹島ですが、皆さんから蒲郡で好きなところを教えて欲しいです。また、『ここから見る蒲郡が好き』などを教えてもらうことも大切で、その見ている場所が本当に素敵になっているかどうかを点検ができるといいですね。」
「公共建築も素敵なものがあるから、そういったものもいいかもしれません。」
「あかりはSDGzにも関わります。昔から使われてきた水銀灯をここ10年位で出てきたLEDにアップデートしてくことが重要です。これから始めていけばいいと思います。」
安井秀夫さん
「例えば竹島にあかりを当てるとなると、国定公園で植生に影響があるから難しいのですが、そこをみなさんが『こうなったらいいな』という思いの中で、アイデアを出していただいて出来ることを見つけられたらいいと思います。」
鈴木寿明市長
「私はウォーキングしているのですが、海岸線が暗くて危険を感じます。そういった環境をあかりにより変えていくことで、健康づくりにも活かせるし景観的にもいいのかなと思います。」
忽那裕樹さん
「長町さんのいいところは、『照明が主役ではいけない』と言っているところです。また、照らすだけではなくて暗い場所も作らないといけない言っている。商業の賑わいなど人の気配が見えるてくるように全体であかりを考えています。」
益尾孝祐さん(モデレーター)
「次の意見です。」
「あかりのまちづくりをやって昼間の活気も出るのでしょうか。」
「8万人の人口で人を集めることができるのでしょうか。」
「年齢層が高いですが若い人が集まるような期待ができるのか。」
長町志穂さん
「若い人が移住したり、カフェをやったりできるのがいいけどそんなに簡単ではないです。若い人だけではなく、年配の人も元気な人が多くて活躍できます。12年間お世話になっている人口7千人の町では高齢の方が元気にあかりのイベントを続けています。」
忽那裕樹さん
「人口のことで言うと、5万人から7万人のまちに関わっているのが多いです。そういったまちには危機感がある。市民の人たちが決意をして行政がバックアップすることを明確に打ち出すと必ず人は集まります。」
「若い社会人が動き出すと子育ての人が繋いでくれる。次世代のために何ができるか。」
「草津川跡地公園では、スケボーする人がいたり、勉強する人がいたり、大学生がモノづくりしていたり、社会実験の打ち合わせを外でやっているなど、そういった風景が本気でやれば生まれます。」
「パブリックマインドのある人、誰かのためにとか、自分のやっていることを知ってほしいなど、人をつなげていきたいと思っている若者、社会貢献したい若手が多い、それを表現する舞台を作れていない我々に責任があると思います。表現の舞台を作るつもりでデザインをしています。」
恒川和久さん(コメンテーター)
「実は蒲郡の周りにいる人たちが蒲郡の魅力をいっぱい知っていて来ているんです。そういう人を忽那先生が言う場を作ることで繋ぎとめることが出来るのではと思います。」
安井秀夫さん(コメンテーター)
「この地方は受け身の部分があると感じています。今は行政も変わってきています。市民側も変わっていくことも大切だと思います。市民レベルでいいコンテンツを発信していくことで点が面になっていい方向にいくと思います。」
鈴木寿明市長
「『まちづくりは行政がやっている。』という感覚があるのは行政に責任があると思います。これから若者が表現できる舞台を作る。これに尽きると感じました。」
忽那裕樹さん
「交流人口の時間を増加させることはよく言われています。例えば、名古屋からみればデュアルライフスタイルみたいに住みたくなることも考えられる。蒲郡は調べれば調べるほどいいところ。山から海まで考えると気候温暖で南斜面で食べ物も美味しい、選択として終の棲家にもなるところだと感じました。」
「テーマ性の近い人が集まって徐々に時間を増やしていくと、少しずつ移住を望む人が出てくることがあります。『そういうことを蒲郡全体が支えているまちです。』となると、これまでのまちのあり方が次のステップになるのではないかと感じています。」
益尾孝祐さん(モデレーター)
「最後の意見紹介をします。」
「海辺のみなとエリアは意識して足を踏み入れることのない場所でした。」
「一方で、海が見えるロケーションや駅からの近さなどポテンシャルがあることは感じています。カフェやマルシェなど、ここが日常的に賑わう環境づくりをしてみたい。」
「駅から歩いて竹島に行った覚えはありません。道路の歩道を景観っぽく整備してあるが、海を見て歩くならば竹島埠頭側に遊歩道を作って導いたほうが安全で気分良く行けるのではないか。」
「このように回遊性の議論やアクセス性の議論、人がそぞろ歩き出来る場所なのか。できない場所なのかと言った意見でした。」
忽那裕樹さん
「単純に意見はすごく賛成です。」
「しかし、これまでのように、綺麗な道を作るだけでは人は歩きません。最初にやらないといけないのは道を作ることではなくて、そこでマルシェをやってみるなど一度やってみる。1年に一回は絶対にやるとなると、他からも結構集結してきます。ただ、マルシェだけやっているとマルシェで終わってしまう。『ここに道を作るかもしれない』という話の中でマルシェが出来て議論が出来ていきます。作ってから『どうぞ』ではなくて、作るのは一番最後だと思います。とりあえず、やってみてワークショップを繰り返し、意見を出し合って、こんな道がいいんじゃないかというストーリーを信じたほうがいいと思います。」
安井秀夫さん(コメンテーター)
「東港を大手の企業から見ると開発は難しいという話があるのですが、企業と行政に任せるのではなくて、市民と作っていくことができる可能性を今日の話を聞いて感じました。」
長町志穂さん
「整備は一番最後でいいと思います。いるとなった時に作ればいい。その前に、今ある環境を使いこなせていない。ただし、使いこなしていく中で、小さな整備は必要な部分があると思います。まずは、みんなの意見を聞いて使いこなす練習を色々やる。今は公園の中にお店が作れるようになり、日本中の公園が変わってきています。そういう事業を地元の誰かがやる。そういった整備は必要だと思います。」
忽那裕樹さん
「小さな街であっても回る仕組みを作ることが大切です。もっと小さな田舎の話ですが、行政だよりで補助金が切れたらどうしましょうというのがあって、それを脱却しないといけないです。」
まとめ
ここまでの内容をモデレーターの名畑恵さんがグラフィックレコーディングにまとめて説明していただきました。
最後に登壇者の皆さんから感想
恒川和久さん
「これからのキックオフとして熱い議論が出来たと感じました。」
安井秀夫さん
「みんなで積極的にやっていきましょう。古い世代が若い人に力を貸して、チャンスを与えることも大事だと思います。」
忽那裕樹さん
「蒲郡は2回目くらいですが、感覚としては一目惚れ状態です。皆さんとワークショップなどで色々共有していきたい。蒲郡の良さを教えてほしい。いっぱい食べて飲んで蒲郡のことをもっと好きにさせてください!」
長町志穂さん
「蒲郡というまちに縁ができて感謝しています。昭和や平成の時代の人は、お金を稼ぐ事を目指していました。これからは、生きるとは何なのか。社会の役に立つとか、人のために何が出来るなど、多くの人がそう思っています。私はあかりのデザイナーとして時々人の役に立つことがあることに気が付きました。そのために頑張れたらと思っています。ほかにもそう思っている人はたくさんいると思います。このまちを何とかしたい人と一緒にやりたいと思っています。」
鈴木寿明市長
「検討チームと私達が今つながり合ったことが今日の一番大きいことでした。人の幸せの価値観が変わってきていると思います。豊かな海が感じられる空間があれば私たちは幸せに感じられると思います。皆さんそれぞれの考え方、価値観がこれからどのようにこのまちを変えていくのかにかかっています。この一年の私のテーマは『つながり合う』です。今日をきっかけに検討チームの皆さんと意見を交わしながらもっと深くつながり合って行ければこの上ない幸せに感じるところです。」