本文
ご主人の武司さんは蒲郡生まれの蒲郡育ち。奥様の麻美さんは犬山出身の尾張っ子。同じ会社にお勤めし、武司さんの研修時に名古屋の事業所で出会いました。
武司さんは蒲郡から出る気は全くなく、結婚しても当然蒲郡に住むつもりでした。でも麻美さんのほうは蒲郡に住むことに不安はなかったのでしょうか?
「結婚前に何度も遊びに来ていて、その頃からいいところだなと思っていました。蒲郡は海のまちというイメージが強く、不安よりもワクワク感のほうが大きかったですね」と麻美さん。そう、犬山には海がないのです。停泊する船や港の風景が新鮮で、蒲郡に住んで1年以上経った今でもワクワクするそうです。
武司さんは現在、刈谷市内まで車で通勤しています。3月に国道23号線蒲郡バイパスの蒲郡ICから幸田芦谷IC間が開通したため、それまでより通勤時間が10分ほど短縮でき、1時間程度で通勤できるようになったそうです。帰りはさらにスムーズで、50分程度だとか。蒲郡市内での渋滞はかなり解消されたと実感。
無料化された三河湾オレンジロードで国道1号線にもすぐ出られる上、そこから東名音羽蒲郡ICにつながっているので、遠出もしやすくなりました。「蒲郡バイパスがすべてつながると、もっと便利!できるだけ早くつながるといいね」と武司さんは願っています。
また麻美さんもお子さんが生まれるまでは仕事を続けていて、名古屋(栄)まで電車で通勤していました。「蒲郡はJRも名鉄もあるので本当に便利。だから名古屋や豊橋に通勤している人が多いんですね」と納得する麻美さんです。
ところで、実際に蒲郡に住んでみて、このまちに対する麻美さんの印象は変わったでしょうか?
「蒲郡全体が海のまちという印象は変わらないけど、思っていたより観光地のイメージは薄いですね。特にこの三谷は静かで落ち着いています。その分、住みやすい環境だと思いました」
犬山も観光に力を入れていてとてもにぎやかです。でも人の優しさや温かさはよく似ていて、妊娠中はどちらのまちでも何度となく、電車の中などで見知らぬ人に体のことを気遣ってもらいました。
お子さんが生まれてからは、散歩中や乗り物の中などで声をかけてくれる人、荷物を持ってくれる人、赤ちゃんをあやしてくれる人など、親切な人がいっぱい。ご近所の人も初めて会った人も、みんなあったかい!
また、ご夫婦は武司さんの実家の近くにお住まいで、ご両親とはとても親しくしています。お義母さんの魚料理(メヒカリなど、地元でとれる魚)、おばあちゃんの手づくりの野菜などをいただいたり、いろいろな所へ遊びに連れて行ってもらったりします。甥っ子や姪っ子も赤ちゃんと遊んでくれます。
蒲郡のいいところは、子育てを応援するシステムや環境が整っていること。「まず、おむつ替えや授乳のため立ち寄ることができる“赤ちゃんの駅”が市内のあちこちにあるので、安心して外出できるのがいいですね。それから、0歳から遊べる児童館もあります。また、図書館では赤ちゃん向けの絵本の読み聞かせや遊びも行われています。どちらも各地域にあって、特に児童館は歩いて行けるから便利です」と麻美さん。それぞれの場所で出会ったお母さんたちと、友達になれるのもいいですね。
児童館は、武司さん自身も子どもの頃に利用したそうです。遊ぶ材料がいろいろあって面白かったことを覚えています。
「子どもと一緒に安心して楽しく過ごせる公園が多いのも、蒲郡のすばらしいところ」だと武司さんは思っていますが、ふだんは仕事の関係で一緒に過ごせる時間が少ないのが残念とのこと。
麻美さんは「竹島、西浦方面へのドライブ、温泉、潮干狩りや海水浴、蒲郡オレンジパーク、生命の海科学館、ラグーナ蒲郡…蒲郡にはこんなにいいところがいっぱいあるのに、あまり知られていないようで残念!」と言います。海の幸もいっぱいなのに、おいしく食べられるところがもっと増えて欲しいですね。犬山と比べたらアピール度が低い気がしてもったいない!…というのが本音です。
お祭りも同じ。ことに正三尺玉が夜空に広がる花火大会や、海中渡御が行われる三谷祭の勇壮さは全国に誇れるものです。武司さんは三谷祭でかつて青年のトップを率いた人。初めて三谷祭を見た麻美さんが惚れ直したほどカッコいいのです。こういう伝統的な祭りのことも広めなくっちゃ!
蒲郡が心地よくて他のまちで暮らすことなど考えられないのに、その恩恵に浴しすぎて魅力をうまくPRできない武司さんに対し、麻美さんからは蒲郡のよさがポンポン飛び出します。まちの素晴らしさを外に向けて発信していくポイントになるのは、麻美さんのように市外から蒲郡に来た人の、素直な眼差しと感動かもしれません。