![移住者の声のタイトル画像](/uploaded/subsite/576_img.jpg)
本文
ご主人の郁弥さんは熊本の出身。大学時代に心を揺さぶる1冊の本と出会って本の持つ力に魅了され、卒業後は大型書店を多店舗展開する愛知県の企業に就職しました。いずれは自分で書店を経営するという夢を抱いて。
奥様の智古さんは蒲郡出身です。もともと本好きで、大学では図書館情報学を専攻。図書館実習をした際、対話による業務が少ないことを実感し、より接客の機会が多い書店への就職を決めたとのこと。就職した書店で、郁弥さんと出会いました。
お二人で本や店の話をするうち、書店という形では自分たちの想いは表現しづらい、もっと自由に本や人とふれあっていきたいと思うようになりました。そうしてお二人で考えた夢のカタチが、ブックカフェだったのです。
智古さんは、結婚を機に郁弥さんより一足早く退職。郁弥さんの退職後は幸田町に移住し、幸田のカフェで修行しながら、少しずつ出店準備を進めていきました。その間、智古さんは図書館にも勤務しています。出店場所の第一条件は「自分たちにとって気持ちいい場所」だったそうです。書店勤務の際には転勤もあり、名古屋でも暮らしましたが、都会はさほど「気持ちいい場所」ではなかったとか。お二人とも海が好きだから、潮風を感じられる場所こそが心地よい場所なのでしょう。・・・というわけで、蒲郡が急浮上! お店をやるからには土地勘があるほうが何かと便利だという話にもなって、蒲郡での場所探しが加速していったのです。
一生懸命探したかいあって、海までわずか2~3分のステキな場所に、希望した条件に合う店舗物件が見つかりました。緑も多くて眺めは良好。海と山と里の風景をすべて楽しめるのが、蒲郡のすばらしいところです。
お店&住居のリノベーションと並行して、幸田から蒲郡に移住。天井と床以外は、多くの仲間にサポートされながら、基本的に自分たちでコツコツと手づくりしていきました。特に嬉しかったのは、オープン前から近所の方々がいろいろ気づかいの声をかけてくださったこと。じんわりと地域に受け入れられていった感じです。
お店を開くということで、商工会議所や保健所にも足を運びました。いずれも対応がていねいで、親身に相談にのってもらうことができ、ほっとしたそうです。
そして昨年11月、ついに念願のブックカフェがオープン。元書店員の二人が選んだ本が並び、アコースティックギターの音楽が流れる、くつろぎの空間です。「あなたの今日が、特別な一日に変わりますように」という想いを込めて、書店時代や図書館時代にはできなかった「お客様との絆を深める」日々がスタートしました。
それから半年が経ち、新しい出会いがいっぱい生まれています。
お客様は、昼は20~40代の女性のお友達同士が多く、夜はカップルやお友達同士、仕事帰りのサラリーマンや家族連れなど、幅広い層の方がいらっしゃるそうです。ご来店くださったお客様が、違う方を連れて再来店されるケースも多いとのこと。
地域のお客様がほとんどなのは、口コミでお客様が広がっているからでしょう。皆さんとても優しく、「蒲郡で頑張ってくれているのが嬉しい」とメールでメッセージを送ってくれる人も。「温かい応援が身に沁みます。地域に少しずつとけこんでいるのを日々実感します」とお二人は言います。
海の好きなお二人のお気に入りの場所は、海陽ヨットハーバーです。海が見える上、芝生が広がっているのも素敵。竹島周辺や春日浦も好き。大学時代に長崎で暮らしていた郁弥さんは、蒲郡の海辺を見ると長崎の風景が思い出されて、懐かしい気分になるそうです。願わくば、ビーチや緑地が市民の憩いの場としてもっと整備されたら最高。「マリンスポーツが楽しめるのも蒲郡ならではですね。今はまだ遊ぶ余裕がないけど、パドルボードに挑戦したい」とのこと。
生活の利便性は上々。近くにスーパーがあるから日常の買い物には困りません。交通の便がいいのもGOOD。電車でも車でも、愛知県内はもちろん遠出もラク。夫婦でゆったり暮らすのに最適なまちだと、笑顔で語るお二人です。
今月3月、郁弥さんと智古さんは竹島で開催されたイベントに出店しました。クラフト作家や飲食店が出店する民間イベントです。これからも、積極的に何かをやっている人たちとつながっていきたいし、自分たちが多くの人に支えられているように、何かにトライしたいと思っている人を自分たちも応援したい。それが今のお二人の想いです。
「ビーチとか、春日浦とか、蒲郡らしい場所でもっといっぱいお祭りがあるといいのにね」と、三谷祭り好きの智古さんは言います。ニューヨークのブルックリンみたいに、アーティストが集まり、カフェやギャラリーができ、イベントが開催されて、その辺り一帯が面白くて活気のあるエリアになっていく・・・そんな場所が蒲郡にも生まれたら最高。夢の絆を結び合い、みんなで羽ばたいていけたらすばらしいと、お二人は思っています。