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科学館スタッフによる広報がまごおりコラム「生命の海から」

記事ID:0227022 更新日:2025年12月1日更新

科学館スタッフによる広報がまごおりコラム「生命の海から」のバナー画像

生物の意外な活用

私は生物が好きで、様々なものを観察しています。生物を観察していると知らなかったものが見えることがあります。見えたものをさらに調べてみると興味深い世界が広がっていたり、新しい知識を得ることができたりして、私はこの時間が大好きです。

例えば、夜行性であることが多いガの眼。複眼の一つ一つのレンズには、表面に細かな凹凸があります。これが光の反射を抑えていて、光の少ない夜でも生活ができるようになっているのです。実はこの凹凸を利用した、光の反射を抑えたフィルムが開発されており、テレビのモニターなどに使われています。

このように、生物のもっている構造や性質を新しい技術開発に役立てることを「バイオミメティクス」と呼ぶそうです。ガの眼の他にも、ガラスに付くことができるヤモリの脚から着想を得た接着テープや、ハスの葉が水をはじくことから開発された中身がくっつかないヨーグルトの蓋など、様々な技術に生物の性質が応用されています。

興味をもって調べてみると、医療器具やスポーツ用品からもっと身近なものまで、たくさんの応用例が出てきて驚きました。皆さんが普段使っているものにも、もしかしたらこういった技術が使われているかもしれません。ぜひ探してみてください。

電子顕微鏡で見たガの眼の写真
電子顕微鏡で見たガの眼です。細かい凹凸がたくさん見られます。

生命の海科学館 小松 薫
(2025年12月1掲載)

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