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科学館スタッフによる広報がまごおりコラム「生命の海から」

朧月
「5、4、3、2、1…リフトオフ!」
4月2日の朝、およそ半世紀ぶりに、人を載せて月に向かう宇宙船が打ち上げられました。インターネット越しに、世界中の何万人もの人々とともに、私もアルテミス2ロケットの発射を見守りました。朝ごはんそっちのけで画面にかじりつき、期待と不安と感動を噛みしめながら、爆音とともに見るまに青空に溶けていく小さな点を、ずっと目で追っていました。
その後も、NASAはロケットから分離され月へ向かうオリオン宇宙船のクルーの様子や船外カメラの映像をずっとリアルタイムで配信しており、なんと!月を周回する宇宙船から見える月の裏側やその向こうに青く光る地球の姿も、ライブで中継されたのです!感動を噛みしめすぎて、奥歯が欠けそうでした…。
太古から人々が見上げ、憧れ続けてきた月は、実際にはクレーターだらけで荒涼とした、地球とは全く異なった世界です。でもだからこそ、地球では見つけられないもの、地球にいては気付かないことを、私たちに教えてくれます。月のクレーターは、地球では既に失われた過去の隕石衝突の記録を残しています。アポロ計画で持ち帰られた月の石には約46億年前のものがあり、創世記の地球を知る貴重な資料として、今も研究が進んでいます。それに月から見る地球は、日ごろ忘れがちなその小ささと儚さを、私たちに実感させてくれます。
春霞の向こうの月の美しさは、眺める人の思うものによって異なるのかもしれませんね。

撮れたてほやほやの、宇宙船地球号。4月7日(日本時間)にオリオン宇宙船のクルーが撮影した、月から見た地球です。
蒲郡市生命の海科学館 館長 山中 敦子
(2026年5月1掲載)
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