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科学館スタッフによる広報がまごおりコラム「生命の海から」

記事ID:0227022 更新日:2024年7月1日更新

科学館スタッフによる広報がまごおりコラム「生命の海から」のバナー画像

乱暴者、平和主義者、未熟者

子どもの頃、テレビ番組の影響で、ゴリラの研究に半生を捧げたダイアン・フォッシーさんに憧れたことがありました。類人猿の研究は私たち人類を知るためにも重要であると知り、本を読み漁ったり動物園に行ってみたり。ところが、子殺しや集団間の殺し合いがあると言われるチンパンジーについて知るにつれ、憧れや好奇心はしぼんでしまいました。七百万年前に人類との共通祖先から分かれて進化したチンパンジーは、私たちに最も近い動物です。人類の本質も彼ら同様好戦的で攻撃的であるとの可能性に向き合うのが、怖くなったのです。

ですので、もう一つの類人猿ボノボの存在を知ったときには、とても救われた気持ちになりました。ほんの百万年ほど前にチンパンジーと分かれて進化した彼らは、攻撃的なチンパンジーとは異なり、平和な社会を営んでいます。また最近の知見では、人が人に武器を向けたのは、約一万年前に農耕が始まって以降とのこと。ならば人類七百万年史のたかだか一万年、ましてや数百年を見てその本質を断じるのは、尚早と思えたのです。

進化についての学びは、“人間性”について新たな視点をもたらしてくれます。とはいえ、一族の家系が狼藉者か平和主義者かで一喜一憂しているようでは、己が“人間性”はまだまだ未熟!学びが足りませんな。

アノマロカリスのイラスト画像
夏秋期の特別展では、約5億年前の海の生物アノマロカリスの進化の謎に迫ります。
乞うご期待!

生命の海科学館 館長 山中  敦子
(2024年7月1掲載)

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