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【生命の海科学館】 リニューアルオープン記念講演 展示物紹介

記事ID:0070062 更新日:2020年2月19日更新

展示物紹介

● 約35億年前の岩石 (マーブルバー・チャート)

チャートオーストラリア北西部のマーブルバーという地域で採取された、今からおよそ35億年前にできた岩石です。ケイ酸を主成分とする、チャートというかたい岩石でできており、深海底の熱水活動でできたものと考えられています。この岩石の内部から、世界最古の生物化石が発見されました。顕微鏡でないと見ることのできない、細菌と思われる小さな生物の化石です。深海の熱水活動でできた岩石の内部で発見されたことから、熱水に含まれる成分をエネルギーに変えて生きる細菌だったのではないかという説がありますが、よくわかっていません。
生命の海科学館の3階展示室で、実物標本に触れることができます。

● アンモナイト

アンモナイト

中生代に大繁栄した頭足類のなかま、アンモナイト。生命の海科学館の3階展示室には、北海道の白亜紀の地層から発見された、直径およそ50cmのアンモナイトの化石が展示されており、自由に触っていただけるようになっています。アンモナイトのカラに浮き出た縫合線と呼ばれる美しいもようを、じっくり観察していただけます。(アンモナイトのカラは、巻貝とは異なり、いくつもの部屋に仕切られていました。“縫合線”は、部屋の仕切りとカラとの境界が生み出す模様です。) 

● 首長竜

クビナガ竜

 首長竜はジュラ紀前期から白亜期後期に、全世界の海で繁栄した海棲爬虫類です。首の長いプレシオサウルス類と首の短いプリオサウルス類に二分されますが、当館には、プレシオサウルス類のタラソメドンのレプリカ化石が展示されています。アメリカ合州国・デンバー自然史博物館が所蔵する化石標本(9000万年前)を複製したものです。

全長15mのうち半分以上を占める柔軟な長い首を使い、魚、イカ、アンモナイトなどを食べていました。骨格の構造から陸上生活はできず、繁殖も水中で出産する卵胎生と考えられています。

● シーラカンス

シーラカンス

 シーラカンスはおよそ4億年前のデボン紀に現れた魚類の一群です。太い筋肉質のヒレを持つことから肉鰭類と呼ばれ、四肢動物への進化を考える上で重要な生物です。化石により80種ほどが知られていますが、約6500万年前の白亜紀末に全て絶滅したと考えられていました。ところが、1938年、南アフリカ沿岸で生きたシーラカンスが捕獲され、「生きた化石」として注目を集めました。現在、生存が確認されているシーラカンスは1997年にインドネシアで発見された別種を加えて2種です。

当館には、シーラカンスとしては進化初期に出現したカリドスクトル(3億5000万年前)と、現生種に近縁なリビス(1億5000万年前)が展示されています。 

● メタセコイア (Metasequoia glyptostroboides)

メタセコイアスギ科の針葉樹の一種で、生長すると、直径1.5 m、高さ25から30 mの大きな木になります。1941年に日本の関西地方の新生代第三期の地層から化石が発見され、『メタセコイア』と命名されました。現在では日本各地の同時代の地層から、化石が発見されています。
その後生きたメタセコイアが確認されましたが、発見当初は絶滅した植物と考えられていたことから、「生きている化石」と呼ばれます。生命の海科学館1階のプレシオひろばの「生物の移り変わりと化石」で、メタセコイアの化石を見て、触れることができます。 

● ハイコウイクチス

ハイコウイクチス

現在知られている最古の魚類であり、最古の脊椎動物です。1999年、中国雲南省・海口で5億3000万年前の地層から発見されました。この発見により、カンブリア紀の海には、無脊椎動物だけでなく脊椎動物も存在していたことが示されました。全長は約2.5cmで、頭部と原始的な脊椎が保存され、眼、口、ヒレ、鰓孔、消化管 肛門などが確認されています。口に顎はなく、無顎類の一種です。カンブリア紀の海では最も進化した動物といえます。

この化石を公開しているのは国内では当館のみです。 

● カンブリア爆発

カンブリア爆発今からおよそ5億4200万年前、古生代カンブリア紀の始まりとともに生物が爆発的に進化し、ほんの数百万年の間に、現在見られる全ての動物グループが出現したと考えられています。この現象を、カンブリア爆発(Cambrian explosion)と呼びます。実際に生物の爆発的進化があったのか、化石に残りやすい生物が急激に進化・多様化したのかなど、全貌はまだよく分かっておらず、カンブリア爆発の真相はなぞに包まれたままです。

● カナダのバージェス動物群

カナダのバージェス動物群

1909年にカナダ・ブリティッシュコロンビア州のロッキー山脈で、5億2000万年前におけるカンブリア紀中期の生物化石が多数発見されました。バージェス頁岩層とよばれる地層から見つかったこの化石群をバージェス動物群といいます。骨格を持たない軟体組織だけでできている動物化石も良好な保存状態で発見されていることが特徴です。現在も発掘調査は続けられており、カンブリア爆発や生命の進化を解明する上で重要な証拠をもたらしています。

アノマロカリス、ハルキゲニア、ピカイアなど代表的なバージェス動物群の化石が当館には展示されています。 

● 中国の澄江動物群

中国の澄江動物群

 中国雲南省・澄江は、カナダのバージェスと並ぶカンブリア時代の化石の代表的な発掘地です。バージェス頁岩の動物群より1000万年ほど古い5億3000万年前におけるこの動物群は、多細胞生物の初期進化を知る上で貴重な資料です。1984年に最初の化石が発見されて以来、多くの重要な発見がなされました。バージェス動物群と共通して発見された種もいますが、澄江独自の動物も見つかっています。特にハイコウイクチスなどの脊椎動物、既存の動物門に当てはまらず古虫動物門を新設するに至ったウエッツリコラ、シダズーンなどが特徴的な化石動物として挙げられます。 

● 最古の魚類ミロクンミンギア類

ジョンジャンイクチス1999年、中国の海口地区に分布する5億3000万年前の地層から、全長3cmほどの小さな化石が発見されました。エラや筋肉の節、背びれと頭部が見られることから、原始的な脊椎動物とされ、昆明魚(ミロクンミンギア)と命名されました。最古の魚類です。
2012年現在、ミロクンミンギアを含め、脊椎動物のなかまと考えられる生物の化石が三種類発見されています。他の二種は、ハイコウイクチスとジョンジァンイクチスです。すべて中国の海口地区から発見された生物化石で、ハイコウイクチスとジョンジァンイクチスからは原始的な脊椎と頭部に目や鼻腔も発見されています。
これら三種の最古の魚類は、ミロクンミンギア類と呼ばれています。