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QRコード展示解説「アエンデ隕石・マーチソン隕石」
アエンデ隕石は、1969年にメキシコのアエンデ村に落下したことを由来に、その名が付けられました。アエンデ隕石には、太陽系で最古の物質、約45億6000万年前の物質が含まれています。逆に言うと、この年代をもとに、私たちは太陽系の年齢をおよそ46億年としています。
黒い皮のようなものが隕石を覆っていますが、これは溶融皮膜(ようゆうひまく)というもので、隕石が大気圏を通り抜けるときに加熱され、表面が溶けでできたガラスの膜です。コンドライトのひとつであるアエンデ隕石の断面にはコンドルールが残っていて、融けたり、強くぶつかったりした痕(あと)がないのが特徴で、生まれたときの姿を保存していると考えられています。
アエンデ隕石断面
一方のマーチソン隕石も、全体を溶融皮膜が覆っていて分かりにくいですが、星屑が集まったような姿をしています。ただ、アエンデ隕石とは違い、マーチソン隕石には水が含まれていることが確認されています。
今から46億年前、まだ惑星が形作られる前の太陽系のもととなった星雲の中でできた宇宙の水です、大さじ1杯の水が含まれています。水は微細な鉱物のツブの隙間に閉じ込められていますが、実験によって取りだすことができます。
マーチソン隕石の水を取りだす実験の様子