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【講演動画公開中】レクチャーシリーズ☆Online 教えて!リュウグウ ~小惑星と“生命の海”のひみつ~
蒲郡市生命の海科学館の展示テーマの一つが、「宇宙から来た海」。
海の水は、源をたどれば宇宙からやってきた…とする説を裏付ける手がかりの一つである、水と有機物を含む「マーチソン隕石」を展示しています。
2020年12月、地球に帰還カプセルを届け、新しい冒険に出かけた小惑星探査機「はやぶさ2」。カプセルに入っていたリュウグウのかけらは、水の惑星・地球のなりたちを教えてくれる、とても貴重な手がかりです。リュウグウのかけらが拓く惑星科学の新しいステージへの期待を込めて、キュレーションや初期分析に直接携わる研究者の方々に、現在の惑星科学研究の最先端と、リュウグウのサンプルへの期待を語って頂きます!
開催場所 |
生命の海科学館YouTubeチャンネル(YouTubeLive)にて配信します ※各回配信後は、生命の海科学館YouTubeチャンネルでご視聴いただけます |
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開催日時 |
2021年6月から11月 19時から20時10分 (全6回開催) ※下記リンクをクリックすると別窓でYouTubeの視聴ページが開きます。
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概要 | 2001年6月、小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰ったリュウグウのかけらの初期分析が、いよいよ始まります。キュレーションや初期分析に直接携わる研究者の方々に、現在の惑星科学の最先端をからめながら、初期分析の内容やリュウグウのかけらへの期待を語って頂きます。 第二回からは、リュウグウサンプルの初期分析の統括を務められる、初回講師の橘さんによるナビゲートでお送りします! |
協力 | 東京大学大学院理学系研究科宇宙惑星科学機構UTOPS/学術変革領域研究(A) 次世代アストロケミストリー |
参加費 | 無料 |
参加方法 |
当日ご自由に視聴いただけます。 |
注意事項 |
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第1回(6月12日)
リュウグウがきっと!教えてくれる「太陽系のはじまり」
探査機「はやぶさ2」は昨年12月、小惑星リュウグウへの往復旅行のおみやげとして、リュウグウの小石や砂が入ったカプセルを届けてくれました。小さな天体の小石や砂をなぜ科学者は貴重だと思うのでしょうか。それは、ほんの小さな石に46億年の太陽系のはじまりの姿が残されていると考えるからです。豪州でのカプセル回収や、科学者がリュウグウの小石や砂からどうやって太陽系のはじまりを聞き出そうとするのかについてお話ししようと思います。
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講師紹介
東京大学 大学院理学系研究科 宇宙惑星科学機構 教授
宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙科学研究所 特任教授
橘 省吾 さん
専門は宇宙化学。太陽系の惑星達がどうしていろんな色をしているのかを知りたくて、惑星をつくった材料について研究しています。「はやぶさ2」計画では小惑星リュウグウ表面で石を採る係(サンプラー)、地球に持ち帰られた石を分析して調べる係(初期分析)を担当しています。著書に「星くずたちの記憶 ― 銀河から太陽系への物語」(岩波科学ライブラリー)など。
第2回(7月10日)
リュウグウがきっと!教えてくれる「小惑星の姿」
小惑星「リュウグウ」はコマのような形をしていて、「はやぶさ」探査機が訪れた小惑星「イトカワ」のラッコのような形とは違っていました。また、「はやぶさ2」探査機の観測からは、2つの小惑星を作る物質も大きく異なることを示しています。これらの違いは何を教えてくれるのでしょうか?リュウグウから持ち帰られたサンプルの初期分析はこれから始まりますが、分析を前にして、その抱負についても述べたいと思います。
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講師紹介
立命館大学 招聘教授
広州地球化学研究所 教授
土`山 明 さん
京都に生まれ、鉱物少年として過ごす。東京大学で博士号を取得後、NASA、オレゴン大学でポスドク。京都大学、大阪大学を経て、2019年に京都大学を定年退職後、現職。隕石や宇宙塵の分析(X線 CT・電子顕微鏡)やその再現実験から、太陽系ができた頃のことを研究しています。「はやぶさ」サンプル初期分析のチームリーダーも勤めました。
第3回(8月7日)
ベヌーもきっと!教えてくれる「太陽系・惑星・生命」
NASAの探査機OSIRIS-RExは小惑星ベヌーを探査し、ベヌーが非常に暗い天体であること、水を含んだ鉱物や有機物、炭酸塩など様々な物質が存在すること、時々表面から石が宇宙空間に飛び出すことなど興味深い成果を上げてきました。また、表面に着地し、大量の表面岩石の採取にも成功しています。ORISIS-RExミッションの目標やこれまでの成果について、紹介します(日本語での通訳が付きます)。
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講師紹介
ローワン大学 地質学科 教授
東京大学 大学院理学系研究科 GSGC特任教授
Harold C. Connolly, Jr.(ハロルド・コノリー・ジュニア) さん
地球外物質の観察や分析、実験、サンプルリターン探査などを通じ、誕生直後の太陽系の姿を明らかにしようとしています。NASA・OSIRIS-REx サンプルリターン計画ではサンプルサイエンティストとして、持ち帰られる岩石の分析総責任者を努めます。また、「はやぶさ2」計画のサンプル分析チームのメンバーでもあります。日本が大好き。
第4回(9月11日)
リュウグウがきっと!教えてくれる「生命誕生への道のり」
地球で最初に誕生した生命は、どのような物質から作られたのか、まだ誰も知りません。”いまの”生命が持っている物質を基準とすれば、アミノ酸や糖がもとになったとも考えられます。しかし、”最初の”生命は、”いまの”生命と、はたして同じ成り立ちをしていたのでしょうか? 一見、生命に関係なく見えるけれど、もしかすると、約46億年前の太陽系に豊富に存在した物質が地球生命の材料になった かもしれません。答えは、リュウグウを分析すればわかるはず。従来の説を覆す、新しいお話をしたいと思います。
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講師紹介
広島大学 大学院先進理工系科学研究科
地球惑星システム学プログラム 教授
薮田 ひかる さん
名古屋生まれ、東京育ち。O型。2002年 筑波大学大学院博士課程化学研究科修了。アリゾナ州立大学、カーネギー研究所でのポスドク生活を経て、2008年より大阪大学大学院理学研究科 助教、2017年より広島大学大学院理学研究科 准教授、2019年より現職。専門は宇宙地球化学。「はやぶさ2」初期分析では、固体有機物分析サブチームのリーダーを務めています。
第5回(10月16日)
リュウグウがきっと!教えてくれる「地球・海のつくりかた」
到着前には未知の小惑星だったリュウグウの姿は、その後1年半の集中観測で次々と明らかにされてきました。特に、世界に先駆けて実施した2度のタッチダウン、人工衝突実験で得られた情報は大変貴重なものでした。本講演では、講師が責任者を務めた光学航法カメラで得られた高解像度画像をお見せしながら、C型小惑星が果たした太陽系初期進化の謎、特に水の起源について分かり易く解説します。
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講師紹介
東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 教授
宇宙惑星科学機構 機構長
杉田 精司 さん
静岡県浜松市出身。東京大学理学部地球物理学科卒、米国ブウラウン大学博士課程修了(Ph.D.)、2009年より東京大大学院教授。専門は惑星科学。子供の頃に近所の少年科学クラブで大地と岩石の面白さに目覚めました。天体衝突の物理過程を通じて太陽系内のさまざまな惑星の起源と進化を研究しています。特に最近10年間は、画像解析の責任者として探査機「はやぶさ2」に参画し、小惑星リュウグウの研究を進めています。
第6回(11月13日)
リュウグウがきっと!教えてくれる「これからの太陽系探査」
「はやぶさ」「はやぶさ2」の成功により、小天体からのサンプルリターン探査で世界をリードするJAXAは、その次のターゲットとして、火星の衛星からのサンプルリターンを計画しています。また、アルティミス計画に代表されるように、月・火星を舞台とした国際探査が加速します。本講演では、日本のお家芸となったサンプルリターン探査や、国際協働による月・火星探査計画を中心に、JAXAの進める太陽系探査計画の概要と期待される科学成果を紹介します。
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講師紹介
宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙科学研究所 太陽系科学研究系 教授
臼井 寛裕 さん
2004 年に博士号を取得後、2005 年より米国に渡りテネシー州立大学およびNASA ジョンソン宇宙センターで研究員としてNASAの惑星探査に従事。2012 年に帰国後、東京工業大学地球惑星科学科・地球生命研究所を経て、2018 年より現職。専門は地球化学・惑星探査学。
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