本文
豊川用水事業(昭和24年度から昭和43年度まで)
豊川用水事業は農林水産省により、昭和24年9月に国営事業として宇連ダム建設工事に着手し、昭和33年には水道用水、工業用水にも供給する多目的事業に変更し、昭和43年5月の完成以来、長期間にわたり東三河地域の発展に大きく貢献してきました。
しかし、近年、水利用の多様化に伴い、豊川用水も水の需要量が年々増加し、加えて少しの異常天候においても、水源である宇連ダムの水が渇水状態となり、その度に節水規制が行われ、近年は慢性的な水不足状態となっていました。
水源地 | 所在地 | 内容 |
---|---|---|
宇連ダム | 新城市 | 重力式コンクリートダム・・・2,842万立方メートル |
大野頭首工 | 新城市 | 重力式コンクリートダム・・・最大取水量30立方メートル/秒 |
大野導水路 | 新城市 | 総延長6,286m |
東西分水工 | 新城市 | 延長87m、取水量・・・東22.8立方メートル/秒、西7.2立方メートル/秒 |
幹線水路 | 東部 76.2km、西部 37.2km | |
支線水路 | 総延長556.7km、畑地かんがい工事総面積10,114ha、ファームポンド260ヶ所 | |
三ツ口池(調整池) | 豊橋市 | ゾーンタイプ・・・20万立方メートル |
初立池(調整池) | 渥美町 | ゾーンタイプ・・・160万立方メートル |
駒場池(調整池) | 豊川市 | 傾斜コア型フィルダム・・・80万立方メートル |
佐久間ダム導水路 | 静岡県 | フィルダム、最大取水量14立方メートル/秒、年間5,000万立方メートル |
豊川用水の慢性的な水不足の解消と将来的な水需要の増大に対処するために、新しい水源確保あるいは下流地域で調整池等を建設する必要が生じ、その対策として豊川総合用水事業が計画されました。農林水産省東海農政局と愛知県企業庁との共同事業により大島ダムを始め、寒狭川頭首工、寒狭川導水路等建設により、大野頭首工地点の流量を増大し、加えて万場調整池、大原調整地、蒲郡調整池、芦ケ池調整池などの地区内調整池建設を主体として、昭和55年度から着手された後、「豊川用水」と一体に合理的な管理を行うため平成11年6月に水資源開発公団が事業継承し、平成13年度に事業が完成しました。
このように豊川総合用水事業は、全体事業費1,157億円の巨額な費用を投じ、将来の水需要に対し安定供給をはかり、東三河地域の発展に大きく貢献するものです。
水源地 | 所在地 | 内容 |
---|---|---|
大原調整池 | 新城市 | 中心遮水ゾーン型ロックフィルダム・・・200万立方メートル |
万場調整池 | 豊橋市 | 表面遮水壁型フィルダム・・・500万立方メートル |
芦ケ池調整池 | 田原町 | 盛土+鋼矢板護岸・・・200万立方メートル |
蒲郡調整池 | 蒲郡市 | 中心遮水ゾーン型ロックフィルダム・・・50万立方メートル |
寒狭川導水路 | 新城市 | 頭首工、導水路、取水量15立方メートル/秒 |
大島ダム | 新城市 | 重力式コンクリートダム・・・1,130万立方メートル |
昭和43年に完成した豊川用水は、地域の農業及び都市の発展に大きく貢献したが、その後社会情勢の変化及び農業技術の進歩に伴い水需要が増大したことから、昭和55年度から着手した豊川総合用水事業により、水需要の増大に対処しております。
しかしながら、豊川用水事業により造成された施設は全面通水から30年余りを経過し、老朽化の進行、機能障害が生じ、漏水・破損等の発生により配水及び維持管理に支障をきたしており、万一不測の事態が発生した場合にはその社会的影響が大きくなることが想定される状態となっています。
このため、本事業では水路施設を改築し、施設の安全性の回復を図るとともに、幹線水路の複線化及び附帯施設の整備により、安定的な取水と適切な維持管理の確保、効果的な水利用と合理的な水管理を目的として、平成11年度から事業が着手されましたが、平成14年に豊川用水地域のほぼ全域が東海・東南海地震の防災対策強化区域等に指定されるなど、大規模地震への対策や、全国的に問題となっているアスベスト対策のための石綿セメント管の除去対策が急務となったため、事業費、工期等が見直され、平成27年度を目標とした第1回計画変更が行われました。
その後、第2回計画変更により、幹線水路の複線化及び既設水路の耐震補強が追加され、令和12年度を目標とした工期予定となっています。
蒲郡市
法人番号3000020232149
〒443-8601 愛知県蒲郡市旭町17番1号
Tel:0533-66-1111(代表)
開庁時間:平日午前8時30分から午後5時15分まで(土日・祝日・年末年始を除く)