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令和8年度予算編成方針
予算編成方針について
令和8年度の予算編成方針を作成しましたので公表いたします。
はじめに
日本経済の先行きについて、9月の月例経済報告では、「景気は、米国の通商政策等による影響が自動車産業を中心にみられるものの、緩やかに回復している。先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるが、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクには留意が必要である。加えて、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響なども、我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、金融資本市場の変動等の影響に引き続き注意する必要がある。」と示されている。
加えて、国は、「経済財政運営と改革の基本方針2025」において、持続的・安定的な物価上昇の下、日本経済全体で実質賃金上昇を定着させ、国民の所得と経済全体の生産性を向上させることとしている。また、全世代型社会保障の構築、少子化対策及びこども・若者政策の推進、公教育の再生・研究活動の活性化、戦略的な社会資本整備の推進、地方行財政基盤の強化など、経済・財政一体改革の取組を進めることを示しており、こうした国の動向に注視していく必要がある。
本市の財政状況を見ると、令和6年度決算では、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は94.1%と前年度から1.3ポイント増加し、依然として高い水準となっている。これは、人件費や扶助費などの義務的経費の増加が財政硬直化の要因となっていることから、引き続き財政運営の健全化に努めていく必要がある。
令和8年度の財政見通しは、歳入面では、市の歳入の根幹をなす市税収入は、賃金の上昇により市民税が堅調に伸長すると見込んでいるものの、地方交付税、寄附金などは前年度並み、国庫支出金、繰入金、市債は対象事業の減少による減額を見込み、歳入全体では令和7年度当初予算と比較して縮小すると見込んでいる。歳出面では、少子高齢化の影響による扶助費及び人事院勧告などへの対応を含めた人件費などの義務的経費の増加が見込まれるほか、地区個別計画に基づく西浦地区の複合施設の建設事業費については5か年事業の3か年目となる令和8年度は減少を見込むものの、他の老朽化した公共施設の更新事業などが見込まれることに加え、賃金上昇や資材価格の高騰により市全体での建設事業費は引き続き高い水準を見込んでいる。また、その他の経費においても物価上昇などの影響により経費の増加が見込まれている。
これらを踏まえて、令和8年度当初予算は、市民の生命を守ることを最重要課題とし、「豊かな自然一人ひとりが輝きつながりあうまち~君が愛する蒲郡~」という将来都市像を目指し、市民憲章にある「ひとづくり」「いえづくり」「まちづくり」を原点に、次に定める方針により編成する。
基本方針
市民と一緒に未来の蒲郡を創る7の取り組みにより
“誰一人取り残さない”蒲郡の実現を目指す
- 地域コミュニティの再構築により「一人ひとりが輝きつながりあうまち」を実現する。
- 心ある地域共生社会を創り「子どもを産み育てやすい、つながり安心して住み続けられるまちづくり」を実現する。
- 未来に輝く街を創り「人と文化を未来につなぐまちづくり」を推進する。
- 市民の健康と生命を守り「笑顔がつながり幸せに暮らせるまちづくり」を実現する。
- 暮らしと環境「地域と人がつながり快適な暮らしを支えるまちづくり」を実現する。
- 人財育成と力強い経済を創り「人と人がつながり、にぎわいと元気あふれるまちづくり」を推進する。
- DXの活用による市民参加を進め、持続可能な環境の構築に向け「未来につながり市民とともに歩むまちづくり」を実現する。
基本事項
- 第五次蒲郡市総合計画の着実な実現及び持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向け、令和7年度は各施策の中間評価の年度であることから、中間値を見据え、目標値を達成するための施策の推進を図ること。
- 新たな都市像として市民が幸福感を感じながら健康で住み続けられるまち「イネーブリング・シティ」の形成を目指し、それに関わる施策の推進を図ること。
- 「ゼロカーボンシティ」及び「サーキュラーシティ」の実現に向け、全ての事業において環境への配慮の観点を重視するとともに、施設における省エネルギーの推進、脱炭素化に取り組むこと。
- 公共施設やインフラ施設等の現状分析を行い、安全性を考慮し、中長期的な視点で優先順位を見極めること。また、公共施設の維持改修事業に係る予算要求については、個別施設計画を前提としつつも、緊急度や実施の妥当性などを資産マネジメント課及び建築住宅課と検討の上、査定を行う。
- デジタル化の推進及びICT活用による市民サービスの向上を図ること。市役所業務改革(BPR)に関する事業については、事前にデジタル行政推進課と協議、十分な調整を図った上で、予算要求を行うこと。
- 事業構築にあたっては、妥当性を裏付ける客観的事実などのエビデンスに基づき行うとともに、事業の目標や成果目標及び終期について明らかにすること。
- 限られた財源を適切に配分するため、施策全般にわたりこれまで以上に各事業の緊急度、重要度及び費用対効果を考慮すること。また、新年度開始後に補正や流用などによる対応が発生しないよう、年間で必要な経費の予算見積りをすること。
- 既存事業については、引き続き施策の見直しや再構築を図るとともに、次の基準により既存事業の廃止、縮小、整理・統合を図るなど、スクラップ・アンド・ビルドの徹底に努めること。
- 市が行うべき事業かどうか。
- 不要・不急なもの。効果の乏しいもの。また、既に目的を達し、実情に合わない事業はないか。
- 受益者負担を求めるべきものはないか。
- 他部門において同一目的、手法で実施されている類似・重複する事業はないか。
- 過剰・重複サービスになっているものや、負担の公平性を欠いている事業はないか。
- 国・県・市・民間団体などの役割分担を的確に判断し、経費の節減ができる事業はないか。
- 市民団体などの民間団体への委託を行うべき事業はないか。
- 市が直接実施主体となるよりも、民間活力を活かす事業はないか。
- 長期継続契約により、経費の節減ができる事業はないか。
- 各種補助金については、時代状況の変化を踏まえた必要性の検証、民間との役割分担、費用対効果、補助の効率化など、個々の事業ごとに十分に精査、検証すること。