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蒲郡市環境対策協議会の開催内容を報告します
蒲郡市環境対策協議会開催報告
令和7年8月22日(金曜日)に関係官公署、公的団体の代表者、学識経験者から選任された委員により蒲郡市環境対策協議会を開催しました。この会議は、本市の環境政策に関し協議し、又、ご意見をいただくことを目的とするものです。
当日の会議では、蒲郡市副市長(協議会会長)からあいさつがあり、事務局が令和6年度の環境関係事業報告をし、続いて各委員の皆さんから意見等をいただきました。
環境事業報告資料は以下のとおりです。
事業報告資料P11からP15 [PDFファイル/724KB]
事業報告資料P16からP20 [PDFファイル/522KB]
今回の会議における委員の方々の発言要旨は次のとおりです。
海岸漂着物等の回収事業について
委員
海岸漂着物等の回収量がすごい量だが、その発生元について、どこから来るものが多くて、どこを対策すればよいのか、市として調査しているか。
事務局
発生元について、市では特定まではできていないが、愛知県による漂着物等の組成分析などは行っていただいている。大雨が降った後はたくさん漂着物、特に流木があり、市内の河川を通じて山の方から流れてくる。東三河、三河湾全体の中で、豊川などの一級河川からも風向きによっては多く流れてきているのではないかと考えている。
委員
形原地区は清掃活動により、定期的に綺麗にしていただいているが、西浦の一部は海岸に岩場が多くあり、清掃活動をしにくい場所もあるからか、ちょっと汚れている意見は聞いたことがある。
事務局
西浦海岸の清掃については、西浦のすべての海岸を行っているわけではないので、清掃を行っていない箇所のご意見を地域の方からいただいたものかもしれない。
委員
西浦の海岸は、クリーンキャンペーンの時などは市民のみなさまのご協力をいただきながら清掃しているが、岩場があるので大変であり、大きな流木がある場合は堤防上まで上げられないので、クリーンキャンペーンでは回収できないごみもある。海岸漂着物の回収事業でも岩場だと回収が難しいか。
事務局
海岸漂着物の回収事業では、観光客などがよく来る竹島や、西浦ではパームビーチ、三谷では海陽までの海岸線などが中心となるので、今の事業費の中ではできる場所は限られてくる。
委員
パームビーチについては、西浦観光協会の皆さんにより、毎朝、ごみを拾っていただいており、綺麗に保たれているということは聞いている。海水浴場シーズンだけでなく、他の時期も清掃していただいていると聞いている。しかし、人の力で運べない大きな流木などは回収が難しい。
委員
マイクロプラスチックついては、今後問題になっていくと思っている。農業の飼料や肥料に入っているマイクロプラスチックが流れてくるようであり、愛知県も気にかけているが、それでも蒲郡は比較的少ない方だと聞いた。
委員
形原町の鳥獣保護区があるところでごみを拾っているが、徹底的に拾っても繰り返しごみが湾内にも入ってくる。マイクロプラスチックについてもかなりの量が入ってくる。プラスチックごみは、海洋を漂うと海に浮いてる化学物質をくっつけてしまい、世界の海鳥の中でその化学物質が体内に蓄積されてしまう。市内海岸全体までは分からないが、細かく見ると、ペレット樹脂などプラスチックごみがたくさん落ちているので、どこから流出してるのか気になる。
三河湾環境再生事業について
委員
三河湾環境再生事業について、詳細はホームページなどに掲載されているか。
事務局
三河湾環境再生事業の中の「豊かな海“三河湾”再生推進協議会」については、豊橋市が事務局となり、協議会のホームページが作成されている。三河湾の状況や協議会の事業内容などの情報が掲載されている。
委員
三河湾の環境について、あまり綺麗にし過ぎてアサリが取れなくなってしまっては問題なので、ただきれいになればいいということでなく、どういうふうにしていくのがいいのか、この噛み合いが非常に重要だと考えている。
委員
三河湾の富栄養化についての対策を何十年かかけて行い、栄養である窒素、リンを少なくしようという考え方でやってきたが、今度は逆に貧栄養化になり、アサリがとれない。どちらがいいかということはなかなか難しい問題である。
委員
多分、アサリがとれないのは、有機物が少ないことが影響していて、ごみの種類が違うと思っている。プラスチックごみは人間にも影響が及ぶ恐れがあるので、全体的に減らしていく必要があると思う。同時に、絶滅危惧種の渡り鳥などがかなり入ってきているので、豊かな自然が一応保たれてると感じているが、ごみについては、有機ごみではなくて、プラスチックごみが多い印象を受ける。
委員
台風や低気圧が通って川から海に大量の水が流れると、流木などで海が汚れるところもあるが、川から海に栄養が流れてくるという大事なことで、痛しかゆしのところがある。海の貧栄養化の解消については、皆さんに考えていただいて、いろいろな対策をいただきながら、海の関係をよくしていただきたい。蒲郡のラグーナビーチ、三谷水産高校の前、春日浦では、人工的に干潟や浅場を作っていただき、今そこで、ハマグリがとれるようになってきて、環境としては良くなったところもある。長い目で、よくしてきていただいたと思っている。
委員
人工の海岸の、ラグーナビーチと春日浦では、絶滅危惧種の野鳥がたびたび入ってきていて、環境的にエサとなる生き物たちがいるということが鳥を見ることでわかる。また、砂浜だけでなく、蒲郡の干潟は、春日浦やラグーナにはいない別の鳥類が入ってきている。多様な干潟や浜など、多様な環境をつくることで、豊かな生き物が増える。蒲郡の自然を求めて来ている動物たちが実際にたくさんいて、その多くが絶滅危惧種なので、多様な環境の海を守っていけるといいなと思う。
委員
海の生物に必要な栄養が、今、大分、貧栄養となっているので、豊かな海をとりもどすための事業を行っている。今の三河湾の状況は、綺麗な海が先行して、豊かな海というところがだんだん細っていくのではないかというのは、皆さん共通認識をしていただいているので、そこは少しずつ見直しをしていこうと、愛知県で進めていただいている。海なり川なり必要なものは必要として、逆に、海や川に不必要なものは、しっかり陸域で処理しないといけないという、蒲郡市の非常に高い環境意識にはいつも感心させていただいている。
環境学習・啓発について
委員
里山自然観察会の開催場所である「さがらの森」を管理している「さがらの森もりクラブ」では、アサギマダラがより多く飛来するように、今年、フジバカマ園を拡大した。今年度、10月18日開催の里山自然観察会でも、たくさん飛んできてくれることを期待している。
委員
子供たちへの環境学習・啓発については、三河湾を綺麗にするため、三谷地区の中学校等は、大島まで行って清掃をやっていた。蒲郡市内の生徒は全員1回、大島などに行って清掃することが環境教育として大事だと前から教育委員会に言ってきた。今は清掃活動を結構やっているみたいだが、教育としてやるならそこまでやる必要があると思っている。
委員
今、蒲郡市の全小学校の4年生が「三河湾環境チャレンジ」という海のフィールドワークに取り組んでおり、県内外で注目されており、最先端の環境教育をしているというイメージがとても強い。
大塚小・中学校で年に1回、海岸清掃と同時に、なぜ海岸清掃が大事なのかという出前授業をしている。ずっと住んでいる人にとっては当たり前の環境になってしまっていると思うが、蒲郡の環境は本当にすばらしいと思っている。それを再発見してもらい、守る意識を高めてもらうために、要望がある学校があれば、出前授業を積極的にしていこうと進めている。
委員
「環境チャレンジ」については、もともとは今と逆の考え方で、海の栄養が富栄養化で、アオサが増えすぎて海岸で腐って臭いので観光行政に影響があり、アオサを処理しようと始まった。その時に竹島小学校の生徒さんたちにいろんなことを学んでもらって、発表会を行い、教育に繋がった。当初の、富栄養化によるアオサ対策については、行政の方でもいろいろ行い、下水の管理がだんだん良くなり栄養が少なくなり、アオサは減った。そこで、教育の部分だけ残って、今小学校で「環境チャレンジ」が行われている。
また、三河大島の清掃については、三谷中学校の生徒は、1年に1回、6月に掃除をしている。市の予算により、船を出して行っており、三谷中の生徒は昔から伝統的に大島の掃除をしてきた。
委員
愛知県水産試験場の活動として、愛知県の中学生を対象に、夏休みの期間に「海とお魚漁業体験教室」を開催している。今年は参加者15名のうち10名が蒲郡市内からの参加者で、アンケートを取ると海での実体験できるのがよいと回答いただいており、蒲郡市には海に接することができるよいフィールドがあると思っている。
委員
蒲郡市には「環境基本計画」という、環境を守る政策がない。蒲郡市の観光のまちとしての魅力は、自然の豊かさや景観のよさだと思うので、環境について子供たちが学んで、豊かな自然があるってこと自覚をできるような仕組みがある中で、その自然を守る仕組みを作っていただきたい。
委員
サーキュラーエコノミーを推進している市ということで私も自分の住んでいるまちが誇らしいが、サーキュラーエコノミーというのはSDGsの17の目標の一部であり、17の目標をウエディングケーキモデルと言って、重要な順に、階層で分かれてるモデルがあるが、その一番下ですべての目標を支えてるのが生物圏で、環境と生き物がすべての土台になっていて、その次に初めて社会圏が成り立って、社会が成り立ったことで、経済が発展するという、SDGsでも立体モデルがある。サーキュラーエコノミーは、エコノミーなので、ウエディングケーキモデルの一番上であり、下の土台を守らないと上手く回らないという部分があると思うので、蒲郡の今まだ残されている自然環境を守る仕組みというのは、積極的に作っていただけるといいなと思っている。
ごみ減量対策について
委員
蒲郡市クリーンセンターで、可燃ごみを燃やすときの温度が上がらないときに、重油ではなく、ペットボトルを燃やしているという話を聞くが、実際にペットボトルを燃やしているのか。
事務局
そうした処理を行っていると聞いたことはないが、念のため確認して報告する。
※現在、蒲郡市クリーンセンターで、そうした処理は一切行っていないと確認した。
委員
メルカリで不用品を売るなど、画期的な取り組みを蒲郡市もしていると思うが、今、生分解性のバイオポリマーを素材としたプラスチック製品が、環境に配慮した企業などで使われていて、京都府亀岡市は生分解性バイオポリマーを製造している企業とパートナーシップ協定を結ぶなど、プラスチック問題に取り組んでいるところもある。蒲郡市でも、例えばプラスチックの袋などに、生分解性のものを積極的に使うような取り組みをしていただけるといいなと思う。
委員
生分解性プラスチックについては、観光協会のパンフレットを入れる袋がそうした素材に変わっていたと思う。まだ黄色いごみ袋はそれになってないように思う。一時は紙を使うという意見もあったが、今は生分解性プラスチックというものが出てきているので、一部ではそういったものを活用し始めている。
事務局
生分解性プラスチックについては、ご紹介いただいた情報を参考にさせていただく。
ゴミステーションのカラス除けネットについて
委員
カラス除け対策で、黄色の色だけでなく多色のネットで色を変えて、カラスが近寄らないようにする対策について、野生動物がごみを漁るためにネットを上げてしまい、そこからカラスがつつくと思うので、ネットの縁にチェーンなどの重りを置いて、ネットが持ちあがらないような対策がよいかと思った。
事務局
ゴミステーションのネットが外されないような工夫については、重りとなるチェーンをつけるなど、様々地元の方でされているところもある。ただ、あまり重くしすぎると、年配の方が重くて持ち上げられないなど、配慮が必要なところもあるので、対策方法について出前講座などを通して、引き続き、周知していきたい。