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【26年ぶり公開】木造十一面観音立像搬入の舞台裏

ページID:0271454 更新日:2024年8月3日更新 印刷ページ表示

県指定文化財「木造十一面観音立像」搬入の様子をお届けします

令和6年7月20日(土曜日)から蒲郡市制70周年記念企画展「がまごおり山ものがたり 〜信仰と観光と〜」が始まりました。
その中で企画展の目玉となる【木造十一面観音立像】を当館で展示するのは実に26年ぶりとなります。
しかしこの観音像、普段は同じ蒲郡市内にある相楽町の倉庫で厳重に保管されているため、博物館で展示をするには倉庫から運びださなければなりません。(※観音像はお精抜きを施してから移動させています)

はたして無事に運ぶことができるのか。。。

これは、平安時代後期の作とされる県指定重要文化財である【木造十一面観音立像】を博物館に無事搬入するまでのプチドキュメントです。


令和6年7月16日(火曜日) 場所:蒲郡市相楽町 天気:雨

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今回、博物館学芸員と同行して頂いたのは、美術品輸送のスペシャリスト「日本通運」さんです。(以下敬称略)
70年にわたる美術品輸送の実績があり、貴重な文化財の運搬には欠かせない存在です。

 

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さがらの森、御堂山観音堂(みどうやまかんのんどう)の横にある倉庫に到着。このあたり一帯は「ヒメハルゼミの生息地」として県指定の天然記念物に指定されています。

当日はあいにくの雨。。。濡らさぬよう壊さぬようにと日本通運が美術品輸送専用の梱包資材を準備し、倉庫の中に。

 

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立っている状態から梱包材で丁寧にくるんでいきます。特に、頭上の細かい面の装飾、腕から指先にかけての細やかな部分はより慎重に丁寧に保護していきます。
そして、ゆっくりと横に寝かせしっかりと固定します。

 

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観音像の梱包を終え、いよいよ倉庫から運び出します。箱は雨に濡れないようにシートを被せています。

 

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観音像が保管されていた倉庫の横には御堂山観音堂があり、お堂の前には約40段近い石段があります。その石段を観音像を抱えて降りるのはとても大変な作業でしたが、そこは美術品輸送のプロ、日本通運によって無事にふもとのトラックまで運び入れる事が出来ました!
(※御堂山観音堂は惜しまれつつも令和6年9月〜10月に取り壊し予定)


同日、無事に蒲郡市博物館に到着しました!

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いよいよ観音像を博物館に搬入します。来館者のいない休館日に搬入しているため、いつもの西側の搬入口ではなく、正面玄関から運び入れます。とにかく慎重に。。。

 

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梱包した箱から出したばかりの観音像は、指先や頭の装飾部分はより厳重に保護されています。梱包材をひとつひとつ丁寧に外していきます。
最後まで気が抜けない作業ですが、作業は無事に終了。何事もなく展示室に設置することができました!

 

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※この日は、中日新聞の記者の方も同行し取材をしていただきました。(掲載記事は令和6年7月17日中日新聞東三河版15面です。見出し「十一面観音立像26年ぶり公開」)


【企画展での展示の様子】

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本来【木造十一面観音立像】は、御堂山観音堂(みどうやまかんのんどう)の三十三年に一度の御開帳でしかお目にかかれないとても貴重な観音像です。
蒲郡市制70周年記念企画展としてふさわしい展示ができるよう、地元からのご協力もあり、この素晴らしい観音像をお借りすることができました。


企画展が始まり驚いたのは、この美しい【木造十一面観音立像】を見るために遠方からもたくさんの方が駆けつけてくださった事です。
暑いなか当博物館にお越し下さり、ありがとうございます!本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。


蒲郡市制70周年記念企画展「がまごおり山ものがたり 〜信仰と観光と〜」は令和6年9月1日(日曜日)まで開催します。

この機会にぜひお越しください!