本文
東京都千代田区、かつての江戸城北の丸に、「国立公文書館」という国の機関があります。
戦前の行政に関係する資料を多く保管している施設です。
ここにひとつの興味深い書類が保管されています。「まぼろしの鉄道路線」に関する資料です。
大正10年(1921年)、三河鉄道株式会社(本社刈谷)は、
蒲郡駅と豊川稲荷を直接むすぶ鉄道の建設を計画し、
許可を得るため、申請書を国(当時の鉄道省)へ提出しました。
その路線というのは、蒲郡駅を始点として、府相・三谷・大塚と東へ進み、
旧御津町の西方海岸のところで左折、そのまま北へ上がって、国府へいたり、
以下、八幡・諏訪・金屋、そして終点の豊川稲荷へと続くものでした。
申請の結果は、どうだったのでしょうか?
鉄道省は、「現在の状況において必要性がみとめられない」と回答、建設の許可はおりませんでした。
蒲郡市と豊川市は、かつて宝飯郡に属していた地域です。
現在、電車で蒲郡から豊川の中心部へ行くには、
一度、豊橋駅まで出てから、飯田線や名鉄線に乗り換える必要があるので、少し手間がかかります。
もしこの計画が実現していたら…わたしたち蒲郡市民は、
お正月のお稲荷さん参拝や、運転免許センターでの更新手続きに、電車で、乗り換えなしでいけたわけです。
蒲郡の町の発展も、またすこしちがったものになっていたかもしれません。
まぼろしの鉄道計画に関する文書
開館時間/10時00分から17時00分(入館は16時30分) 休館日/月曜日・第3火曜日
蒲郡市
法人番号3000020232149
〒443-8601 愛知県蒲郡市旭町17番1号
Tel:0533-66-1111(代表)
開庁時間:平日午前8時30分から午後5時15分まで(土日・祝日・年末年始を除く)