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蒲郡の歴史と文化財 お殿様も楽しんだ潮干狩り

ページID:0127079 更新日:2015年8月6日更新 印刷ページ表示

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お殿様も楽しんだ潮干狩り

3月に入ると、西浦・形原・竹島・三谷・大塚など、蒲郡市内の7か所で、潮干狩りが解禁になります。
三河湾は遠浅・砂底の海でアサリの生育に適しており、愛知県はアサリ類の漁獲量全国1位となっています。
栄養素を豊富に含むアサリは、味噌汁やすまし汁、炊き込みご飯、酒蒸し、炒め物と、和洋中さまざまな料理の要となり、私たちの舌を楽しませてくれます。

美味しいアサリに惹かれるのは今も昔も変わりません。
蒲郡市域のお殿様の地元でのようすを記録した「御在国帳」という古文書には、天保九年(1838)旧暦の3月5日の
お昼頃から、お殿様が御供をつれて犬飼浜に潮干狩りに行ったことが記されています。
この日のお殿様は、かなり興がのったようで、潮干狩りをしながら犬飼から亀島(現在は周囲が埋め立てられて亀「岩」です)まで
行ってしまいました。
その甲斐あってお殿様はずいぶんと貝をとられたようで、ハマグリを現地の亀島で早速焼かせて、それをつまみにお酒を
楽しまれ、御供たちにもお酒と焼きハマグリを下さり、夕暮れ時頃お帰りになったとあります。

江戸のお屋敷から初めて地元へ戻ってきた年ということもあってか、お殿様は、潮干狩りの他にも兎狩り・鹿狩りなどに
盛んに出かけられています。
古文書の端々に見られる「イノシシが一頭、シカが三頭出てきた」「ウサギが六ひきとれた」などの記述から、当時の
蒲郡市域の海幸・山幸の豊かさがうかがえます。