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蒲郡のシンボルである「竹島」周辺は、昭和を代表する文人達が愛した名勝地として知られ、菊池寛、谷崎潤一郎、志賀直哉らの作品の中にも活写されています。このことから、ここ蒲郡は文学の街としても知られています。
この蒲郡を開発したといわれる藤原俊成卿は、公家であり、千載和歌集の選者。久安元年(1145年)から三河の国司を務め、温暖なこの地を気に入り、開発したと言い伝えられます。
蒲郡市では、その蒲郡開発の祖である藤原俊成卿を顕彰する短歌大会を毎年実施しています。
大会の運営には、蒲郡市文化協会の短歌部門を中心に実行委員会を組織し、企画から運営まで短歌大会に関わる業務のすべてを行っています。
過去には、歌人の春日井建氏や藤岡武雄氏を選者にお招きしました。現在は島田修三氏(第45回迢空賞受賞、第15回若山牧水賞受賞、第1回中日短歌大賞)、栗木京子氏(第41回迢空賞受賞、2014年紫綬褒章受賞)らが選者を務めています。
毎年4月29日に開催される短歌大会では、入賞作品の表彰、記念講演に加え、選者による入賞歌の批評や大会企画展などを開催し、歌を志す皆様にとって有意義な大会となっております。
永久2年(1114年)から元久2年(1204年)
公家であり、千載和歌集の撰者である俊成は、平安時代の久安元年(1145)から久安五年(1149)まで三河の国司を務め、当地蒲郡を開発し、熊野三山や江州竹生島から寺社を勧請したと伝えられます。 藤原俊成の子、藤原定家もまた歌人として著名で、新古今和歌集の撰者として知られています。その子孫は、京都に唯一残る公家屋敷で知られる冷泉家です。俊成・定家以来の歌学を継承し、今もその公家文化を守っておられます。
竹島を臨む「俊成苑」には、藤原俊成卿の像が建てられており、左下の銘板には冷泉家24代当主 冷泉為任氏の夫人 布美子氏の揮毫による俊成の歌が彫られています。
岩間もる玉かげの井のすずしきに千歳の秋を松風のふく (長秋詠藻)
世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる (長秋詠藻)
蒲郡市
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